広大な雪国の、人々と自然の営みの物語。 ~北の果ての小さな村で~

 グリーンランドって知っていますでしょうか。デンマークに属する世界最大の島です。人口は2018年度で55,877人、言語はグリーンランド語と、あとデンマーク語が分かる人もいます(ここだけは言語学徒として強調しておきたい)。

 私は街中で「北の果ての小さな村で」という映画のポスターを見かけました。「おっ、雪国そうだな、北欧か?どれどれ……えっ!Σ(・□・;)デンマーク語に……グリーンランド語(カラーリット語/イヌクティトゥット語とも)も!?観る!!」と言語学徒の私は即鑑賞を決めました……しかし、このポスターを見たのは今年の一月。この映画の公開は2018年です。つまりDVDを借りるしかありません。しかし蔦屋書店で借りようと思ったら、私は会員ではないし、会員である母も、最近は借りていないので年会費を払わないといけない、しかも高いということでGEOで借りようとしたら父も観たいものがあるということでAmazonプライムに入ってくれたので観ることが出来ました!!

 

 主人公はデンマークからデンマーク語教師として赴任したアンダースは人口80人の村、チニツキラークの小学校に赴任します。子供たちにデンマーク語を教えようとしますが、考え方や文化の違いから上手くいかず、孤立してしまいます。赴任してからの理解者だった男性にもそのストレスから八つ当たりしてしまいます。そんな中、生徒の一人であるアサーが無断で学校を休んだことにより家庭訪問で会った彼の祖母から「この子は将来猟師になるんだもの、デンマーク式の教育なんて反対」と言われます。この言葉がきっかけか、紆余曲折を経て彼はグリーンランドの人々の価値観を分かり合うことができるようになりました。

 

 この物語はノンフィクションで、モデルとなった人物兼主人公(この映画は全て本人がその役で登場しています)のアンダースは2018年現在もデンマークに戻らず、グリーンランドで教師を続けているらしいです。

 にしてもグリーンランド綺麗だなぁ……。広い。綺麗な銀世界。白熊も可愛かったですし、海豹美味しそうでした。アサー君が「猟師になるんだ!」って言って狩りをする拳銃を構えたり、にっこり笑うところ、可愛かったです。犬ぞりにも乗ってみたくなっちゃったなぁ……。乗り方は難しそうでしたが。

 

 この映画はデンマーク語とグリーンランド語がごっちゃになっていて、日本語字幕ではグリーンランド語のせりふにだけ<>で囲ってありました。このグリーンランド語もアンダースに対しての信頼が高まるにつれ皆がデンマーク語で喋ってくれたり、彼のグリーンランド語を学ぼうとする努力に付き合ってくれていたりしていきます。その辺の心情は是非、映画を観てみてください(日本語吹き替えはありません)。

 

それではまた、世界のどこかで!